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2020年3月 綴れ糸染めワークショップ
玉川屋では色々なワークショップを開かせて頂きますが
ぜっかくならば、ご自分でお召しになる
着物や帯にちなんだ、もの創りに繋がるものを・・・と
心がけてもおります
今回は、20余年続けて、秋に個展を開いて頂いております
京都・西陣の「爪描き本綴帯」の 「服部綴工房」さんのご協力で
綴帯につかう、緯糸(よこいと)をご自分で染めて頂く、ワークショップを開くこととなりました。
( "爪描き本綴帯" は、"つめかき"と読みます。
爪を鋸の刃のようにギザギザに鑢で研いで、そのギザギザを櫛の歯のように使って
経糸(たていと)に、緯糸(よこいと)を糸を掻き寄せて織る事から、こうした名称で呼ばれます
その技法の詳細も、またあらためてお伝え出来ればと思います)
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![](/files/user/event/2020.03.14%E7%B6%B4%E5%B8%AF%E7%B3%B8%E6%9F%93%E3%82%81/201.jpg)
糸を染める染料は、「歯根」の紫
赤味・青味を共備える色合いは、
帯とすると、お着物の地色を選ばない、
また、洒落感と格調とを、供えた色味となります
今回は、ワークショップにて染め易い様に、色の出やすい中国産の歯根を使っての体験となります
染める前の準備として、抽出用の液剤を使い
歯根のチップより、染める染料を作ります
![](/files/user/event/2020.03.14%E7%B6%B4%E5%B8%AF%E7%B3%B8%E6%9F%93%E3%82%81/001.jpg)
![](/files/user/event/2020.03.14%E7%B6%B4%E5%B8%AF%E7%B3%B8%E6%9F%93%E3%82%81/002.jpg)
下の写真をご覧頂くと分かりますが
染料に直截、生地を浸けてみると
この段階では、「紫」ではなく「ピンク」の様な赤味の色が
映ります
![](/files/user/event/2020.03.14%E7%B6%B4%E5%B8%AF%E7%B3%B8%E6%9F%93%E3%82%81/003.jpg)
染料を抽出している間に、
媒染(ばいせん)と呼ばれる、金属分と反応させて色を発色させるために
アルミの成分の含まれる媒染剤に、染める糸を浸けてやります
![](/files/user/event/2020.03.14%E7%B6%B4%E5%B8%AF%E7%B3%B8%E6%9F%93%E3%82%81/012.jpg)
先ほど、紫根のチップより注した染料をガーゼで濾して
糸を染める染料を用意します
ガーゼからは赤い液がしみ出して、
ちょっとホラーな感じも・・
![](/files/user/event/2020.03.14%E7%B6%B4%E5%B8%AF%E7%B3%B8%E6%9F%93%E3%82%81/022.jpg)
コンロでぬるめに温めた染料に、白い糸を入れてやると
あらかじめ媒染剤に浸けてあった糸は、綺麗な紫に染まって行きます
![](/files/user/event/2020.03.14%E7%B6%B4%E5%B8%AF%E7%B3%B8%E6%9F%93%E3%82%81/031.jpg)
束に結ばれた糸を、
ムラにならないように、2本の棒を使いながら
繰って染めてまいります
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染めた糸の色味も、徐々に深みを増すのが
ご覧を頂けることと思います
![](/files/user/event/2020.03.14%E7%B6%B4%E5%B8%AF%E7%B3%B8%E6%9F%93%E3%82%81/033.jpg)
染め上がりの糸の、綺麗な色映りです
![](/files/user/event/2020.03.14%E7%B6%B4%E5%B8%AF%E7%B3%B8%E6%9F%93%E3%82%81/041.jpg)
お時間がありましたので、
染めた半量の糸を、さらにもう一度染めました
二度染めた糸は、紫の濃さがより増してまいります
![](/files/user/event/2020.03.14%E7%B6%B4%E5%B8%AF%E7%B3%B8%E6%9F%93%E3%82%81/034.jpg)
染め上がりました糸は、綴帯と同じ生地に織った後に
ご希望によって「カードケース」または「帛紗入れ」に
お作り致しました
![](/files/user/event/2020.03.14%E7%B6%B4%E5%B8%AF%E7%B3%B8%E6%9F%93%E3%82%81/fukusa.jpg)
一色に見える、紫の糸の束も
実際には微妙な濃淡に染まっておりますので
織り上がった生地には、しぜんなグラデーションが浮かび
帯と同様の、趣きを、お楽しみ頂ける事と思います
そうしたお話の中で、ご参加の方から
「今日、自分で染めた糸で帯は織れるの?」 とのご質問があり
それに、対する
「帯地には量的にも、堅牢度からも、使えませんが
帯の柄の部分に、織り込んで、帯にすることは出来ますよ・・」
との、機屋さんの返事で、
正倉院麒麟の柄をお気に召して
帯のお誂えをご検討していたお客様から、
当初は、地色の変更をベースの予定だったのですが
ご自分で染めた紫紺の糸を使って、柄を織り出す事のご相談を頂き
地色も、紫根の色に近い、深い紫を選び
![](/files/user/event/2020.03.14%E7%B6%B4%E5%B8%AF%E7%B3%B8%E6%9F%93%E3%82%81/105.jpg)
綴帯の帯として、織り上げました
![](/files/user/event/2020.03.14%E7%B6%B4%E5%B8%AF%E7%B3%B8%E6%9F%93%E3%82%81/104.jpg)
織り上がりました綴帯は
玉川屋での観劇会の折にも、お締めを頂きました
一本一本、図案から誂えて織る事の出来る
綴帯ですので
こうしたご提案をさせて頂くことも出来ました
ご自分の手で、体験をしてみたり、お品作りをに係わってみると
お召しになっての楽しみもより増えますし
お持ちのお着物や帯への愛着も、いっそう深くなる事と思います
色々なワークショップも、引き続き企画してまいりますので
どうぞお楽しみを頂ければと思います
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